温泉とは?露天風呂、内湯、銭湯の違い
温泉とは、天然の源泉から湧く湯を使った風呂のこと。日本では温泉法で定義され、湧出時の温度が25℃以上、または一定量以上の成分を含むものとされています。国内には3,000を超える温泉地があり、大規模な温泉街から山奥の一軒宿までさまざま。日本人にとって温泉で過ごす週末は、最高の休息のかたちです。
ゲストに伝えておきたい言葉:
- 内湯:屋内の浴槽。温度が高めのことが多い。
- 露天風呂:岩や木で囲まれた屋外の浴槽。庭、川、山を眺めながら入れます。
- 貸切風呂・家族風呂:時間制で予約して一人、カップル、家族で使う浴場。
- 日帰り温泉:宿泊せずに利用できる入浴施設。
- 銭湯:水道水を沸かした街の公衆浴場。ルールは同じですが、厳密には温泉ではありません。
浴場はほぼ男女別です。入口ののれんに男(青系が多い)、女(赤系が多い)と表示されています。多くの旅館では夜や朝に男女の浴場が入れ替わるため、毎回のれんを確認するよう伝えましょう。混浴は一部の地方の温泉に残っていますが、湯あみ着やタオルの着用を認めるところが増えています。
料金の目安は、日帰り入浴が500〜1,500円、温泉付きの旅館・ホテルの宿泊者は無料、貸切風呂は45〜60分で2,000〜5,000円程度です。
温泉の入り方:手順どおりに
初めての温泉で戸惑うのは、主に手順がわからないからです。脱衣所から湯船までの流れを順に説明します。
1. 靴:入口の下足箱に入れます(木札の鍵を持つところも)。旅館なら浴衣とスリッパのまま向かいます。 2. 脱衣所:服をすべて脱ぎ、かごやロッカーへ。大きいバスタオルはかごに残し、小さいタオルだけを持って入ります。 3. かけ湯:体を洗う前に、足元から湯船の湯を数杯かけて温度に体を慣らします。 4. 洗い場:洗い場の椅子に座り、備え付けの石鹸とシャンプーで全身と髪を洗います。隣に湯が飛ばないよう丁寧に流し、使った椅子と桶も流して戻します。立ったまま洗うのはマナー違反です。 5. 入湯:飛び込んだり泳いだりせず、静かに入ります。長い髪はまとめて湯につけない。小さいタオルは湯に入れず、縁に置くか、日本人のようにたたんで頭の上へ。 6. 入浴中:会話は小声で。携帯電話、撮影、湯船での飲食は禁止です(日本酒を出す旅館の露天風呂は例外的なサービス)。 7. 上がるとき:シャワーで流しても流さなくても構いません。成分を肌に残すため流さない人も多くいます。脱衣所に戻る前に小さいタオルで体を拭き、床を濡らさないようにします。 8. 湯上がり:服を着て、水や瓶入りの牛乳を飲み、数分休憩します。
水着での入浴、体を洗わずに湯船に入る、頭まで潜る、湯船で洗濯やひげそりをするのは厳禁。体調不良や風邪のときは入浴を控えます。

タオル、髪、化粧:細かな実務
温泉付きの旅館やホテルでは、客室にバスタオルとフェイスタオル(フェイスタオルは持ち帰り可のことが多い)が用意され、浴場には石鹸、シャンプー、コンディショナー、ドライヤー、くし、化粧水などがそろっています。浴衣姿でタオル2枚と部屋の鍵を持って大浴場へ向かいます。
日帰り入浴施設は場所によって異なります。
- 大きな施設は石鹸・シャンプー付きでも、タオルは有料(レンタル200〜500円、またはフェイスタオルを購入)のことが多い。
- 地元の共同浴場は備品がないことも。タオル、石鹸、ロッカー用の小銭を持参します。
- 現金のみ、または入口の券売機で入浴券を買う施設もあります。
失敗を防ぐポイント:
- 化粧:湯船ではなく洗い場で落としてから入ります。
- アクセサリー:外しておきます。硫黄泉では銀や銅が数分で黒ずみます。
- 眼鏡:移動のためにかけていても構いませんが曇るため、脱衣所に置く人が多いです。
- 絆創膏:小さな傷は防水の絆創膏で。開いた傷がある場合は入浴できません。
- 生理中:大浴場は避け、貸切風呂を利用します。
- 子ども:歓迎されますが、おむつのままの入浴は不可。大人のそばにいるようにします。
静けさも温泉の一部です。小声の会話は問題ありませんが、露天風呂で大声で笑う団体は、何も言われなくても周囲の視線を集めてしまいます。
タトゥーと温泉:受け入れ施設と貸切風呂
外国人ゲストから最も多い質問がこれです。日本ではタトゥーが今も反社会的勢力を連想させることがあり、「入れ墨お断り」を掲げる温泉が少なくありません。観光庁が2015年に全国約3,800のホテル・旅館を対象に行った調査(回答約600施設)では、入浴を断る施設が56%、断らないが31%、シールなどで隠せば可が13%でした。観光庁はその後、一律に断るのではなく、外国人旅行者への対応策を工夫するよう施設に呼びかけています。状況は変わりつつありますが、全国共通のルールはなく、判断は施設ごとです。
対応策を簡単な順に:
- カバーシール:クレジットカード程度の小さなタトゥーなら、肌色のシールで隠せば入浴可とする施設が多く、フロントで販売していることもあります。必ず事前に確認を。
- 貸切風呂:40〜60分の予約制で、一人や二人で利用でき、気兼ねがありません。多くの旅館にあり、宿泊者は無料のことも。
- 露天風呂付き客室:テラスに専用の露天風呂がある客室。料金は上がりますが最も快適です。
- タトゥーに寛容な温泉地:兵庫県の城崎温泉では外湯7湯すべてがタトゥーをカバーなしで受け入れています。別府でも多くの市営温泉が入浴可です。受け入れ施設をまとめた専門サイトもあります。
- 街の銭湯:大型のレジャー施設と違い、銭湯はタトゥー可のところが多くあります。
禁止している施設でタオルで隠して入ったり、フロントで押し問答をしたりするのは避けましょう。例外は認められず、双方が気まずくなるだけです。
健康と注意点:湯温、入浴時間、飲酒
温泉の湯温は40〜43℃が一般的で、草津には45℃を超える浴槽もあります。35℃前後のスパに慣れたヨーロッパの人には熱く感じられます。体は慣れますが、最も多いトラブルである湯あたりやのぼせを防ぐために:
- 最初は1回5〜10分。縁に腰掛けたり外気に当たったりして休み、必要なら再度入浴。
- 入浴前後に水分補給。気づかないうちに大量に汗をかいています。
- 飲酒後や満腹直後の入浴は避ける。旅館では夕食前に入浴し、食後は1〜2時間空けます。
- 湯から上がるときはゆっくり立ち上がる。血圧が下がり、めまいが起きやすい瞬間です。
- 冬は寒い脱衣所と熱い湯の温度差(ヒートショック)に注意。特に高齢の方。
- 心臓疾患や高血圧の方、妊娠中の方は医師に相談を。各施設には泉質ごとの禁忌症が掲示されています。
泉質の違いを比べるのも楽しみのひとつです。
- 硫黄泉(卵のような匂い、白濁):草津、登別、雲仙。
- 酸性泉:草津は国内有数の強酸性(pH2前後)で、目に入らないよう注意。
- アルカリ性泉:「美人の湯」と呼ばれ、やわらかくとろみのある肌触り。
- 含鉄泉:有馬のような赤褐色の湯。
- 塩化物泉:塩分を含み、湯冷めしにくい。
なお、浴場は日中や深夜に清掃のため閉まることが多いので、旅館では到着時に利用時間を確認しておきましょう。

おすすめの温泉地
温泉はどの地方にもありますが、泉質、風情、アクセスの良さがそろう温泉地をいくつか紹介します。
- 箱根(神奈川):新宿からロマンスカーで約1時間25分、東京から最も便利。大型旅館、晴れた日の富士山、芦ノ湖。週末は混雑します。
- 草津(群馬):日本有数の湧出量を誇る強酸性の硫黄泉。温泉街の中心で源泉を冷ます湯畑、板で湯をもむ湯もみショーが名物。東京から約2時間30分〜3時間。
- 城崎(兵庫):柳並木の川沿いに広がる温泉街で、浴衣と下駄で外湯7湯をめぐります。旅館で外湯めぐり券がもらえ、タトゥーも可。京都から特急で約2時間30分。
- 別府・由布院(大分):源泉数日本一の別府と湯けむりの地獄めぐり。車で約1時間の由布院は由布岳の麓の落ち着いた温泉地です。
- 銀山(山形):川沿いに大正時代の木造旅館が並ぶ細い通り。雪景色は格別ですが人気が高く、冬は入場規制もあります。
- 道後(愛媛):日本最古級の温泉。重要文化財の道後温泉本館は5年以上の保存修理を経て、2024年7月に全館営業を再開しました。
- 登別(北海道):火山地帯の地獄谷と大型温泉ホテル。札幌から約1時間30分。
- 野沢・渋(長野):無料または安価な共同浴場めぐりと、渋温泉近くの地獄谷野猿公苑のスノーモンキー。
初めてなら箱根か城崎、非日常を求めるなら銀山や草津がおすすめです。

団体で温泉へ:参加者への事前準備
温泉旅館での一夜は、企業旅行の参加者にとって最も記憶に残る時間になることが多い一方、説明がないと居心地の悪さを感じる人もいます。手配のポイント:
- 到着前のブリーフィング:かけ湯、洗い場、裸で入る、タオルを湯に入れない、といった手順をバスの中でイラスト付きで説明します。何が起きるかわかっていれば安心でき、同僚の前で質問する必要もありません。
- 強制しない:同僚と裸で入浴することに抵抗がある人もいます。温泉はあくまで任意とし、チームの必須行事にはしません。希望者には貸切風呂を予約します。
- タトゥー:参加申込書で一度だけ、中立的かつ内密に確認します。そのうえで、タトゥー可の旅館、または貸切風呂や客室風呂のある旅館を選びます。
- 時間配分:40名いると17〜19時の大浴場はすぐに混み合います。入浴時間をずらし、夕食は19時か19時30分に設定し、清掃時間や男女入れ替えの時刻を伝えておきます。
- 健康面:水分、飲酒、入浴時間について改めて案内。宴会の後はしばらく時間を空け、一人では入浴しないよう伝えます。
- 浴場の規模:男湯と女湯の広さが違うことがあるため、男女比が偏る団体では収容人数を旅館に確認します。
- 代替案:多くの温泉地にある無料の足湯なら、全員が服を着たまま同じ時間を共有できます。
団体には、浴場やフロアを貸し切れる旅館や、城崎・箱根のような温泉地をおすすめしています。SHINOGI DMCでは施設選定から参加者への事前案内まで対応しています。
よくあるご質問
温泉は裸で入らなければならない?
はい。大浴場では水着を着けずに入ります。持ち込めるのは小さなタオルだけで、湯につけてはいけません。人前で裸になりたくない場合は貸切風呂を利用します。
タトゥーがあっても温泉に入れる?
施設によります。小さなものはカバーシールで隠す、貸切風呂や露天風呂付き客室を使う、外湯7湯すべてがタトゥー可の城崎温泉を選ぶ、といった方法があります。
温泉で小さいタオルはどうする?
体を洗ったり移動中に前を隠したりするのに使い、入浴中は湯船の縁か頭の上に置きます。湯には入れません。脱衣所に戻る前に体を拭くのにも使います。
温泉にはどのくらい浸かればいい?
湯温は40〜43℃が多いため、最初は1回5〜10分が目安です。休憩して水分をとり、また入ります。飲酒後の入浴は避けましょう。
東京から行きやすい温泉は?
最も便利なのは新宿からロマンスカーで約1時間25分の箱根。2時間30分〜3時間の草津は個性的な泉質、鬼怒川温泉も日帰りや1泊の選択肢です。
男女一緒に入浴する?
ほぼ男女別です(男・女の表示)。多くの旅館では毎日男女が入れ替わります。カップルや家族で入るなら貸切風呂を予約します。
Rédaction SHINOGI DMC · 更新日








