名古屋を2日で回るには:街の全体像
名古屋は長らく、東京と京都の間を新幹線で通り過ぎる街と見られてきました。しかし実際には、城、日本有数の格式を誇る神社、トヨタを中心とした国内最大級の産業集積、独自の食文化がそろう日本第4の都市です。主な見どころは2日で回れます。
アクセス:東京から新幹線のぞみで約1時間35分、京都から35分、新大阪から50分。中部国際空港(セントレア)から名古屋駅へは名鉄ミュースカイで28分です。
街の主な拠点:
- オフィスビルと大型ホテルが集まる名古屋駅周辺の名駅。
- 中部電力 MIRAI TOWER やオアシス21がある繁華街の栄。
- 北に名古屋城、南に熱田、その間に大須。
地下鉄(東山線、名城線、鶴舞線)でどこへでも行けます。短期滞在ならシンプルに:
- 1日目:午前に名古屋城、昼過ぎに名古屋駅から徒歩15分のトヨタ産業技術記念館、夕方は大須観音と商店街、夜は名古屋めし。
- 2日目:午前に熱田神宮とひつまぶし、午後はリニア・鉄道館。チケットがあればジブリパークで1日。
3日目があれば、豊田市のトヨタ会館、現存天守の犬山城、伊勢などを加えられます。

名古屋城と本丸御殿:2026年に見学できるもの
名古屋城は17世紀初め、徳川家康の命により、江戸と京都を結ぶ要地に築かれました。天守の屋根に輝く2体の金鯱は名古屋の象徴です。創建時の天守は1945年の空襲で焼失し、現在の天守は1959年に鉄筋コンクリートで再建されたものです。
訪れる前に知っておきたいこと:
- 天守閣は2018年5月から閉館中。市は木造での復元を計画していますが、計画は遅れており再開時期は未定です。外観のみの見学となります。
- 藩主の御殿だった本丸御殿は伝統工法で復元され、2018年に全面公開されました。ここが最大の見どころです。ヒノキ造りの部屋、格天井、狩野派の原画を模写した虎や山水の障壁画。入口で靴を脱ぎます。
- 庭園、石垣、隅櫓(いくつかは現存)。
基本情報:開園9時〜16時30分(入場は16時まで)。観覧料は2026年10月1日から大人1,000円(9月30日までは500円)、中学生以下無料。本丸御殿も含まれます。地下鉄名城線「市役所」駅7番出口から東門まで徒歩5分。所要約2時間。
隣接する金シャチ横丁には名古屋めしの店が集まり、昼食に便利です。春は約1,000本の桜がライトアップされる名古屋城春まつりが開かれます。
熱田神宮:草薙神剣の社
熱田神宮は伊勢神宮に次ぐ格式を持つ、日本で最も崇敬を集める神社のひとつです。伊勢の神鏡、皇居の神璽とともに三種の神器のひとつである草薙神剣を祀っています。神剣は祭事の際も含め一切公開されません。
参拝は建造物を見るというより、森を歩く体験です。樹齢1,000年を超えるものもある楠の杜を抜け、伊勢と同じ神明造の簡素な本宮へ。所要1時間ほど。年間約900万人が訪れますが、境内が広いため落ち着いて参拝できます。
基本情報:
- 境内は無料で、時間を問わず参拝可能。
- 約4,000点を収蔵する宝物館と、2021年開館の刀剣展示施設草薙館は9時〜16時30分。大人各500円、共通券800円。
- 名鉄「神宮前」駅または地下鉄名城線「神宮西」駅。名古屋駅から約20分。
近くのあつた蓬莱軒は1873年創業のひつまぶしの名店。神宮南側の本店は週末1時間待ちも珍しくないため、開店時刻か平日を狙います。境内の茶店では名物のきしめんを気軽に味わえます。
200万人以上が訪れる1月初めの初詣の時期は避けたほうが無難です。

トヨタとリニア・鉄道館:ものづくりの名古屋
名古屋圏は日本の自動車、工作機械、航空機部品の大きな割合を生み出す地域です。その背景を知るのに最適な3つの施設は、専門家でなくても十分に楽しめます。
トヨタ産業技術記念館:名古屋駅から徒歩15分、豊田紡織の赤レンガ工場を活用した博物館。豊田佐吉の自動織機から自動車まで、実際に動く機械や実演でトヨタグループの歩みをたどれます。大人1,000円、9時30分〜17時、月曜休館。所要約2時間で、一般の旅行者には3館の中で最もおすすめです。
トヨタ会館:豊田市のトヨタ本社内(名古屋から約1時間)。最新の車両、生産、技術を紹介し、2026年6月には新展示「TOYOTA's Creative Carmaking」が公開されました。入館無料、9時30分〜17時、日曜と会社休日は休館。元町・高岡・堤工場の工場見学は2021年7月から当面休止中のため、現在トヨタの組立ライン見学は予約できません。なお、貸切バスで来館する団体はトヨタのオンラインシステムで事前予約が必要です。
リニア・鉄道館:JR東海が運営、金城ふ頭にあります(名古屋駅からあおなみ線で24分)。蒸気機関車から時速581kmを記録した超電導リニア、歴代新幹線まで約40両を展示し、運転シミュレーター(抽選)もあります。大人1,200円、10時〜17時30分、火曜休館。所要2〜3時間。
本格的な工場見学を望むなら、陶磁器、航空機、食品など予約制で受け入れている地元企業も多く、企業の団体旅行にはこちらが現実的な選択肢になることが多いです。
ジブリパーク:チケット、アクセス、回り方
ジブリパークは2022年、名古屋の東、長久手市の愛・地球博記念公園内に開園しました。乗り物のあるテーマパークではなく、ジブリ作品の世界を実物大で表現した施設が緑豊かな公園に点在しています。散策を楽しむ場所です。
5つのエリア:
- 展示や映像展示室を備えた屋内施設ジブリの大倉庫(最も見どころが密集)。
- 青春の丘(『猫の恩返し』『耳をすませば』)。
- サツキとメイの家があるどんどこ森(『となりのトトロ』)。
- もののけの里。
- 魔女の谷(『魔女の宅急便』『ハウルの動く城』)。
チケット:完全予約制で当日券はありません。入場月の2か月前の10日14時(日本時間)に発売され、週末分はすぐに売り切れます。5エリアに入場でき、大倉庫は時間指定の大さんぽ券スタンダードが平日3,300円・土日祝3,800円、一部建物の内部に入れる大さんぽ券プレミアムが7,300円・7,800円。料金や券種は変更されることがあるため、予約時に公式サイトで確認してください。
アクセス:名古屋駅から地下鉄東山線で終点の藤が丘、リニモに乗り換えて「愛・地球博記念公園」駅へ。約50分です。開園は平日10時・土日祝9時、閉園17時、火曜休園。
丸1日を見ておきましょう。エリア間は徒歩で最大20分ほど離れているため、歩きやすい靴と、夏は飲み物が必須です。どんどこ森は坂の上にあり、園内バスも利用できます。

名古屋めし:ひつまぶし、味噌カツほか
名古屋には名古屋めしと呼ばれる独自の食文化があります。基本は長期熟成で色が濃く力強い豆味噌(八丁味噌)と、甘辛い味付け。ぜひ試したいもの:
- ひつまぶし:タレで焼いたうなぎを刻んでご飯にのせ、おひつで供します。まずはそのまま、次にねぎ・わさび・海苔の薬味で、3杯目はだしをかけてお茶漬けに。最後の一杯は好きな食べ方で。4,000〜6,500円ほど。
- 味噌カツ:豚カツに赤味噌だれ。見た目以上にボリュームがあります。
- 手羽先:胡椒の効いた甘辛い唐揚げ。地元居酒屋の定番です。
- 味噌煮込みうどん:土鍋で味噌だしに煮込んだ熱々のうどん。麺はあえて硬めです。
- きしめん:あっさりしただしの平打ち麺。
- 天むす:小さなおむすびに海老天をのせたもの。
- モーニング:朝に飲み物を頼むとトーストやゆで卵が無料で付く名古屋の喫茶文化。名物はバタートーストにあんこをのせた小倉トーストです。
食後の散策には、名古屋で最もにぎやかな大須へ。朱色の大須観音では毎月18日と28日に骨董市が開かれ、その周りにアーケード商店街が広がります。古着、電気街、アニメ・マンガ、カフェ、食べ歩きと何でもそろい、手頃なお土産探しにも便利です。
夜は栄や名駅の居酒屋で、これらの名物を少量ずつ注文すれば一晩でひと通り味わえます。

名古屋からの日帰り旅行:犬山、岐阜、伊勢、高山
本州の中央に位置する名古屋は、東京や京都からは行きにくい場所を訪ねる拠点として便利です。
- 犬山(名鉄で約30分):木曽川を見下ろす犬山城は、現存天守のなかでも最古級の国宝。観覧料は2026年3月から大人1,000円です。城下町の町並みや国宝茶室「如庵」のある有楽苑もあわせて。近くの博物館明治村にはフランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテル中央玄関などが移築されています。
- 岐阜(JRで約20分):1,300年以上の歴史を持つ長良川鵜飼は、毎年5月11日〜10月15日の毎晩行われます。屋形船で食事をしてから鵜飼を間近に見物します。
- 関(約1時間):刃物のまち。鍛錬の実演も見学できます。
- 伊勢(近鉄特急で約1時間20分):神道で最も神聖な伊勢神宮と、おはらい町。
- 高山・白川郷(特急ひだで高山まで約2時間30分):古い町並み、朝市、合掌造りの集落。1泊がおすすめです。
団体なら犬山と岐阜を1日で組み合わせるのが好評です。午後に犬山城、夜は長良川で鵜飼と船上の夕食を。
団体で名古屋を訪れる:予約と手配のポイント
名古屋は観光都市である以前にビジネス都市であり、それが団体には有利に働きます。駅周辺の大型ホテル、ポートメッセなごやや名古屋国際会議場といった会議施設、比較的スムーズな交通、京都より少ない混雑。
- 名古屋城と熱田神宮:どちらも大型バスの駐車場があります。本丸御殿は靴を脱ぎ、廊下も狭いため、ガイド1名につき20名ずつの班に分けて入場します。熱田神宮で団体での御祈祷を希望する場合は事前に連絡を。
- トヨタ:現在トヨタでの工場見学はできません。トヨタ産業技術記念館はガイド付き団体見学に対応(予約推奨)、トヨタ会館は貸切バスでの来館にオンライン予約が必須です。視察旅行では、予約制で受け入れている地元のサプライヤーや企業の見学を組み合わせます。
- ジブリパーク:団体チケットは一般販売とは別ルート(指定の旅行会社経由)です。数か月前から動き、大倉庫の入場時間指定も受け入れる必要があります。チケット確保前に団体へジブリパークを約束しないことが鉄則です。
- リニア・鉄道館:団体割引あり。シミュレーターが混み合う日本の学校休暇期間は避けます。
- 食事:ひつまぶしの名店には予約可能な個室があります。貸切の居酒屋で名古屋めしをコース仕立てにすれば、一度に名物を味わえます。
- 組み合わせ:5〜7日間の行程で東京と京都の間に自然に組み込めるほか、高山や北アルプスへの玄関口にもなります。
SHINOGI DMCでは、産業視察旅行や名古屋・京都を組み合わせたプログラムを、予約・ガイド・移動まで一括で手配しています。
よくあるご質問
名古屋城の天守閣には入れる?
入れません。天守閣は木造復元に向けて2018年5月から閉館しており、再開時期は未定です。本丸御殿、庭園、石垣は観覧券で見学できます。
2026年の名古屋城の観覧料は?
2026年10月1日から大人1,000円(それ以前は500円)。中学生以下は無料です。
名古屋周辺でトヨタの工場見学はできる?
現在はできません。トヨタは2021年7月から工場見学を当面休止しています。トヨタ会館(無料)とトヨタ産業技術記念館(1,000円)は見学可能です。
ジブリパークのチケットはどう買う?
公式サイトまたは指定の販売窓口での事前購入のみです。入場月の2か月前の10日14時(日本時間)に発売され、当日券はありません。
ひつまぶしとは?
名古屋名物で、刻んだうなぎの蒲焼きをご飯にのせた料理です。そのまま、薬味をのせて、だしをかけてお茶漬けにと、3通りで味わいます。
東京と京都の間に名古屋へ寄る価値はある?
少なくとも1日は価値があります。名古屋城と本丸御殿、熱田神宮、トヨタの博物館、名古屋めし。新幹線で東京から約1時間35分、京都から35分です。
Rédaction SHINOGI DMC · 更新日
出典
- Nagoya Castle — site officiel
- Nikkei — Nagoya Castle admission raised to ¥1,000 from October 2026
- Atsuta Jingu — site officiel
- Toyota Kaikan Museum — Facility Information (plant tours suspended)
- Toyota Commemorative Museum of Industry and Technology — Admission
- SCMaglev and Railway Park — site officiel (JR Central)
- Ghibli Park — site officiel
- Inuyama Castle — Opening hours and entrance fees
- JNTO — Ukai Cormorant Fishing
- Kanpai — Visites au Japon (inspiration)









