eSIM・ポケットWi-Fi・SIMカード、どれを選ぶ?
日本では、正しいホームを探す、時刻を確認する、メニューを読む、タクシーを呼ぶ、スマホで支払うなど、あらゆる場面でモバイルデータが必要になります。都市部や新幹線(多くのトンネル内を含む)の電波状況は非常に良く、都心部は5Gにも対応しています。あとは接続方法を選ぶだけです。
個人旅行者向けのおすすめ順に、4つの選択肢を紹介します。
- データ専用eSIM:オンラインで購入し、QRコードを読み込んで設定する仮想SIM。iPhone XS以降の多くの機種や、最近のAndroid(Pixel、Galaxy S・Zシリーズなど)で使えます。受け取りも返却も不要です。
- 自国の通信会社のプラン:フランス、ベルギー、スイス、カナダのプランの中には日本で数GB使えるものもあれば、オプションや高額なローミング料金がかかるものもあります。出発前に確認し、対象外ならデータローミングをオフにするよう案内しましょう。
- ポケットWi-Fi:4G・5G回線を複数の端末で共有できる小型ルーターのレンタル。
- プリペイドSIMカード:空港や家電量販店で購入可能。eSIM非対応の端末に便利ですが、旅行中はいつものSIMカードを外すことになります。
注意点として、旅行者向けの商品はほとんどがデータ通信専用で、日本の電話番号は付与されません。音声通話付きの回線には在留カードが必要です。レストランやホテルへの連絡には、WhatsApp、FaceTime、日本で広く使われているLINE、または自国の番号でのローミング通話を使います。
日本向けeSIM:料金、設定方法、注意点
eSIMは今や旅行者の定番です。国内外の多くの事業者が、ドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの回線を使った日本向けプランを販売しています。2026年の料金の目安:
- 7〜8日間で3〜5GB:約6〜12ユーロ
- 15日間で10GB:約15〜25ユーロ
- 30日間で20GB:約25〜40ユーロ
- 15日間「無制限」:30〜50ユーロ(1日の上限を超えると速度制限がかかるものが多い)
地図、メッセージ、写真の送信(動画を除く)といった通常の使い方なら、2週間で10GBあれば十分です。パソコンでテザリングしたり、動画を多く投稿したりする場合は20GB以上を選びましょう。
設定の手順:
- 端末がeSIM対応でSIMロック解除済みか確認(iPhoneは「設定」>「一般」>「情報」の「SIMロック」)。
- 出発の2〜3日前に、安定した回線のある自宅でeSIMを購入・設定。多くのプランは日本で初めて接続した時点から有効期間が始まります。
- 到着後、モバイルデータ通信にeSIMを選び、その回線だけデータローミングをオンにします。銀行のSMS認証用に、普段のSIMはデータ通信をオフにしたまま有効にしておきます。
よくある失敗は、eSIMを誤って削除してしまう(再インストールできないことが多い)、割高な「アジア周遊」プランを気づかずに購入する、無制限プランが1日2〜3GBを超えると大幅に速度制限されることを見落とす、といったものです。

ポケットWi-Fiのレンタルと無料Wi-Fi
ポケットWi-FiはeSIMの普及で利用が減りましたが、今も利点があります。1台で5〜10台の端末を接続できるため、家族旅行、eSIM非対応のスマートフォン、パソコンやタブレットの接続に向いています。
利用の目安:
- 料金:無制限またはほぼ無制限のプランで1日約800〜1,500円。長期になるほど割安です。
- 受け取り:空港カウンター(成田、羽田、関西、中部、福岡)または到着前日にホテルへ配送。
- 返却:同封の返信用封筒でポストに投函するか、空港カウンターで返却。
- バッテリー:実際の使用で8〜12時間。電池が切れると全員がつながらなくなるため、モバイルバッテリーが必須です。
最大の欠点は、全員が一緒に行動しなければならないことです。家族の1人が別行動をとると、その人はネットに接続できません。1日数百円の紛失・破損補償は、加入しておく価値があります。
無料Wi-Fiも大きく広がりました。空港、JRの主要駅や地下鉄、東海道・山陽・東北新幹線の車内、大手カフェチェーン、百貨店、多くのホテルで利用できます。ただし、メールアドレスやSNSでの登録が必要なことが多く、30〜60分で切断される場合もあり、屋外に出るとつながりません。あくまで補助的な手段で、モバイル回線の代わりにはなりません。VPNなしでネットバンキングやパスワード入力をするのは避けましょう。
日本旅行で役立つアプリ:交通、翻訳、タクシー、災害情報
アプリを20個も入れる必要はありません。現地で実際に使って役立つものを紹介します。
- Googleマップ:電車や地下鉄のルート検索に優れ、ホーム、出口、運賃、リアルタイムの時刻まで表示。訪問する都市のオフラインマップをダウンロードしておくと安心です。
- NAVITIME Japan Travel、Japan Transit Planner:複雑な乗り換え、番線、特急列車の検索はGoogleより正確です。
- Google翻訳:カメラ機能でメニュー、看板、ラベルをその場で翻訳。日本語パックをダウンロードしておけばオフラインでも使えます。
- VoiceTra:情報通信研究機構(NICT)が開発した無料の音声翻訳アプリ。運転手や店員との簡単な会話に便利です。
- Safety tips:観光庁のアプリで、地震、津波、台風、熱中症などの情報を英語など多言語で通知します。出発前に必ずインストールするよう案内しましょう。
- GO、Uber:東京、大阪、京都でタクシーを呼び、アプリ内でカード決済できます。
- スマートEX、Welcome Suica Mobile:新幹線の予約や交通費の支払いをスマートフォンで。
- Japan Official Travel App(JNTO):実用情報、無料Wi-Fi、トイレ、観光案内所の検索。
ホテルの住所を日本語で記した紙やスクリーンショットも用意しておきましょう。タクシーの運転手に見せるのに最も確実で、スマートフォンの電池が切れたときにも役立ちます。

日本のコンセントと電圧:変換プラグは必要?
日本のコンセントは、アメリカと同じ平たい2本ピンのAタイプが基本で、丸い接地ピン付きのBタイプもあります。ヨーロッパの丸ピン(C・Eタイプ)やスイスのJタイプはそのまま差し込めないため、変換プラグが必要です。
電圧は100V(ヨーロッパは230V)。さらに世界でも珍しく、東日本は50Hz(東京、横浜、仙台、北海道)、西日本は60Hz(名古屋、京都、大阪、広島、福岡、沖縄)と周波数が分かれています。境界はおおむね富士川付近です。
実際には次のとおりです。
- スマートフォン、ノートパソコン、カメラ、電子書籍リーダー、最近の電動歯ブラシ:充電器のほとんどが100〜240V・50/60Hzに対応しています(ラベルに記載)。変換プラグだけで使えます。
- 欧州仕様のヘアドライヤー、ヘアアイロン、電気ケトル:230V用のため、十分に温まらないか動きません。ホテルには必ずドライヤーがあり、日本製の製品も手頃なので、持参しないよう案内しましょう。
- 医療機器(CPAP、ポンプなど):対応電圧を確認し、必要なら変圧器を用意します。
ビジネスホテルの客室はベッド周りのコンセントが2〜3口しかないことが多いため、USB-CとUSB-Aのポートが複数ある変換プラグが便利です。最近の新幹線には全席にコンセントがある車両も多く、2時間半の移動中に充電できます。
変換プラグは出発前に自国で買えるほか、日本ではビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店、一部のコンビニでも購入できます。

団体旅行での通信と連絡体制
30名、80名の団体になると、通信は快適さの問題ではなく、安全管理と運営のための手段になります。
セミナーやインセンティブ旅行の経験から、効果的なのは次のような体制です。
- 参加者1人に1つのeSIM:4人で1台のポケットWi-Fiを共有するより確実です。出発2週間前に手順書とともにメールで送ります。自由時間、並行して行うワークショップ、ホテルへの帰着時間の違いなど、団体は必ず分かれて行動します。eSIM非対応の端末用に、予備のポケットWi-Fiも数台用意します。
- 専用のメッセージグループ(WhatsAppなど):スケジュール、写真と地図リンク付きの集合場所、直前の変更を共有します。投稿は管理者1人に限定し、200件ものやり取りにならないようにします。
- 緊急連絡カードを全員のネームホルダーに:添乗員の番号、日本語のホテル住所、緊急番号(警察110、救急・消防119)、日本政府観光局(JNTO)の24時間対応の訪日外国人向けホットライン。
- イヤホンガイド:寺院、庭園、美術館の見学で、ガイドが小声で話しても全員にはっきり聞こえ、静かな場所の雰囲気を損ないません。
- スタッフ用に日本の電話番号付き携帯:レストラン、ドライバー、ホテルとの連絡用です。
- 全員にSafety tipsアプリをインストールし、地震や台風の際の簡単な行動手順を共有します。
SHINOGI DMCでは、eSIM、メッセージグループ、ガイド機材、常時連絡が取れるスタッフといった通信体制を団体向けに整え、誰もが電波を探すことなく次の行き先を把握できるようにしています。
よくあるご質問
日本ではeSIMとポケットWi-Fi、どちらがいい?
端末が対応していればeSIMがおすすめです。15日間10GBで約15〜25ユーロと安く、受け取りも返却も不要。ポケットWi-Fiは一緒に行動する家族やeSIM非対応の端末に向いています。
日本で2週間、データ量はどのくらい必要?
地図、メッセージ、翻訳、写真程度なら10GBで十分です。パソコンでテザリングしたり動画を投稿したりするなら、20GBか無制限プランを選びましょう。
日本に無料Wi-Fiはありますか?
空港、主要駅、地下鉄、複数の新幹線路線、カフェチェーン、多くのホテルで利用できます。ただし登録が必要なことが多く、屋外では使えないため、eSIMの代わりにはなりません。
日本ではどの変換プラグが必要?
Aタイプ(平たい2本ピン)用の変換プラグが必要です。電圧は100Vで、スマートフォンやパソコンの充電器(100〜240V対応)は変圧器なしで使えますが、欧州仕様のヘアドライヤーは使えません。
旅行者でも日本の電話番号を持てますか?
ほとんどできません。音声回線には在留カードが必要なため、旅行者向けの商品はほぼデータ専用です。通話はWhatsApp、FaceTime、LINE、または自国の番号でのローミングを使います。
地震情報を受け取るアプリは?
観光庁の無料アプリ「Safety tips」です。地震、津波、台風、熱中症の情報を英語などで通知し、安全のための助言も表示されます。出発前のインストールをおすすめします。
Rédaction SHINOGI DMC · 更新日








