タオルの聖地・今治
今治市は愛媛県北部、四国の港町で、瀬戸内海の島々と向き合っています。町を支える二大産業はタオルと造船。前者は日本中で知られ、後者は世界の海運関係者に知られています。
タオルづくりの歴史は130年以上。今治タオル工業組合によると、糸を撚る工場、染める工場、織る工場、仕上げの工場など関連工場は200近くにのぼり、2026年9月時点でタオル製造企業は72社、織機は1,174台。国内最大のタオル産地です。
今治で発展した理由として、産地は次の三点を挙げています。
- 水:蒼社川の伏流水は硬度の低い軟水で、繊維を硬くせずに晒しや染色ができ、鮮やかな色とやわらかな風合いが生まれます。
- 先晒し・先染め:織る前に糸を晒して染めるため、織りで柄を表現でき、色も正確です。
- 一貫した産地:糸から製品まで、各工程の専門工場が地域内にそろっています。
2000年代初め、産地は安価な輸入品に押されて苦境にありました。再生の柱となったのが、2006年にクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏とともに立ち上げたブランドと厳しい品質基準です。赤・白・青の小さなロゴが、今日店頭で目印にされているブランドマークです。
今治タオルブランドと「5秒ルール」
今治で作られたタオルがすべてロゴを付けられるわけではありません。今治タオルブランド認定商品になるには、組合が定めた試験に合格する必要があります。最も有名なのが5秒ルールで、タオル片を水に浮かべ、5秒以内に沈み始めるかを見るもの(JIS L1907 沈降法)。未洗濯と3回洗濯後の2回の試験の両方に合格しなければなりません。
あまり知られていない基準も、使い心地には同じくらい重要です。
- 洗濯後の脱毛率0.2%以下(毛羽落ちが少ない)
- パイル保持性(パイルの引き抜き強さ)
- 耐光・洗濯・汗・摩擦に対する染色堅ろう度
- 引張強さ・破裂強さ、洗濯による寸法変化率±7%以内
- 遊離ホルムアルデヒドが基準値以下
新品のタオルは仕上げ剤の影響で吸水が悪いことがありますが、認定商品は最初から吸水することが求められます。ラベルにはロゴとともに認定番号が記されており、本物のブランド商品と、単に「今治製」のタオルや模倣品を見分ける最も簡単な方法です。
組合は2007年にタオルソムリエの資格制度も設け、2026年には第21回の資格試験が行われました。店頭では、やわらかめか、しっかりめか、吸水重視か、用途は何かを尋ねながらタオルを選んでくれます。

今治でタオルを見る・買う:今治タオル本店、LAB、タオル美術館
タオル工場は生産現場のため、予約なしに一般公開されていることはほとんどありません。手続きなしで学び、買える場所は次の三か所です。
今治タオル本店:東門町、JR今治駅からタクシーで約10分。9:30〜18:00、年末年始を除き無休でカフェも併設。多くのメーカーの商品が風合いや用途別に並び、タオルソムリエが相談に応じます。
今治タオルLAB:本店の隣(9:00〜18:00、同じく年末年始以外無休、入場無料)。5秒ルールを自分で試せるのがここ。認定基準を満たしたタオル片と満たさないタオル片、水、ストップウォッチが用意され、違いが一目でわかります。日本初のタオル織機「ヒゴ織機」の復元機、足踏み織機、動力織機があり、スタッフの説明を聞きながら織ってみられることもあります。染色、整経、織り、洗い、ヘム加工までの製造工程の映像も見られます。
タオル美術館:今治市南部の朝倉。よく聞かれますが、2026年も営業中で、通年9:30〜18:00(2027年は1月14日・19日が休館日として告知済み)。今治タオルのブランドの施設ではなく、メーカーである一広グループの美術館です。ギャラリー入館料は大人1,000円(15名以上900円、30名以上700円)。ショップ、レストラン、庭園のみの利用は入館料不要です。綿から織りまでの工程展示、タオルアートの企画展、大型ショップがあり、有料の工場見学も行っています。今治中心部から車で20〜25分、道後温泉(松山)から約1時間です。
価格の目安は、認定品のフェイスタオルで1,000〜2,500円前後、バスタオルで3,000〜8,000円程度。超長綿やガーゼ織りはさらに高くなります。
造船の町・今治:造船所と船主の集まる海事都市
今治のもう一つの顔は、海沿いの道や橋の上から見えてきます。クレーン、建造中の船体、ほとんどの島にある造船所。今治市は日本最大の海事都市を掲げ、国内最大手の今治造船の本社をはじめとする造船所、舶用機器メーカー、そして海運業界で「今治船主」と呼ばれる船主が集積しています。
個人旅行では、造船は主に外から眺めることになります。
- しまなみ海道の橋や展望台(大島の亀老山展望公園など)から、船台や船体ブロックを見下ろす
- 市や造船所の告知により一般公開されることがある進水式は迫力満点
- 2年に一度今治で開かれる国際海事展バリシップ。次回は2027年5月20日〜22日、テクスポート今治で開催予定で、最終日は一般公開日です。
製造業、物流、船舶金融、エンジニアリングなどの専門家グループなら、早めの依頼で造船所見学を調整できる場合もあります。保護具の着用、撮影禁止区域、人数制限など条件は厳しく、オンラインの申込フォームではなく、関係者とのつながりを通じて調整するタイプの見学です。
市街地の今治城は17世紀初めに築かれ、堀に海水を引き込んだ全国でも珍しい城です。

しまなみ海道サイクリングとタオルを組み合わせる
今治は、広島県尾道市と6つの島と橋で結ばれる約70kmのしまなみ海道の終点の一つです。路面の青いラインで案内される自転車道が途切れずに続き、日本で最も有名なサイクリングルートの一つになっています。
知っておきたい情報:
- 自転車の通行料は2028年3月31日まで無料(「しまなみサイクリングフリー」、2026年に延長)。手続きは不要です。
- レンタサイクル:今治側の来島海峡大橋のたもとのサンライズ糸山など、ルート沿いにターミナルがあります。料金は車種により1日2,000〜4,000円程度と保証金。電動アシスト自転車は借りたターミナルへの返却が必要で、一般の自転車は別のターミナルで乗り捨てできることが多いです。
- 所要時間:全行程70kmは、走り慣れた人で丸1日(休憩込み6〜8時間)。団体や初心者は、今治から大島、伯方島までなど区間を区切り、帰りはバスや船を使うのが現実的です。
- 上り坂:海道自体は平坦ですが、各橋へは2〜3kmほどの九十九折りの坂を上ります。
タオル好きにおすすめの流れは、午前に今治(本店とLAB)、午後に亀老山展望公園やその先まで走り、島か尾道に泊まるコース。逆に尾道から出発し、ゴールの今治で買い物を楽しむのも一案です。
快適なのは春(4〜5月)と秋(10〜11月)。夏は暑さと湿気で全行程はかなりきつくなります。強風や台風時は自転車の通行が規制されることがあります。

今治へのアクセスと滞在日数
今治には新幹線が通っていないため、入り方を選ぶ必要があります。
- 松山経由:松山空港(東京、大阪などから便あり)から今治中心部まで車で約70分。またはJR松山駅から特急で今治まで約35〜40分。
- 広島・尾道経由:新幹線で福山または新尾道へ行き、しまなみ海道経由の高速バスで今治へ(尾道から約1時間半)。体力に自信があれば自転車でも。
- 岡山経由:瀬戸大橋を渡る松山行きの特急で今治まで約2時間。
滞在日数の目安:
- 半日:市内の今治タオル本店とLAB、今治城。
- 1日:朝倉のタオル美術館(車かタクシーが必須)と、来島海峡を望む展望台を追加。
- 2日:1日目はタオルと市内、2日目はしまなみ海道を自転車かバスで、島々に立ち寄り(大三島の大山祇神社、生口島の美術館など)。
大島から出る来島海峡の潮流体験船は、日本有数の激しい潮の流れを間近に見られる約1時間のプログラムで、行程に加えやすい体験です。

団体での今治:見学、体験、企業ギフト
西日本での研修旅行やインセンティブにおいて、今治はわかりやすく質の高い地場産業、誰でも楽しめる体を動かすアクティビティ(橋を渡るサイクリング)、参加者全員への実用的な記念品という、珍しい組み合わせを提供できます。
20〜40名の団体での目安:
- タオル美術館:食事付き・入場のみの団体予約申込書があり、15名・30名以上で団体料金が適用されます。大型バスも駐車しやすく、駐車場は無料。レストランで団体昼食も可能です。
- 今治タオル本店とLAB:10〜15名ずつに分けないとすぐに混み合います。5秒ルールは「どれが認定タオルか当てる」チームアクティビティとしても盛り上がります。
- 工場見学:タオル美術館の有料見学以外に、メーカーの工場見学は早めの依頼が必要です。織機が稼働する平日に団体を受け入れるメーカーもあります。
- サイクリング:電動アシスト自転車を事前予約し、伴走車を用意。全行程ではなく20km程度のコースが現実的です。
- 記念品:社名やイベント名を刺繍した認定タオルは、日本のビジネスギフトの定番です。別注はメーカー、または法人相談に対応する東京の南青山店を通じて依頼でき、数週間の納期を見込みます。
SHINOGI DMCでは、今治としまなみ海道の行程づくりを、団体予約、自転車と伴走車、通訳、参加者向けの刺繍入りギフトまで含めてお手伝いしています。
よくあるご質問
今治タオルの5秒ルールとは。
水に浮かべたタオル片が5秒以内に沈み始めるかを、未洗濯と3回洗濯後の両方で確かめる試験で、今治タオルブランド認定の基準の一つです。
今治のタオル美術館は営業していますか。
はい。2026年も通年9:30〜18:00で営業しています。ギャラリーは大人1,000円、ショップとレストランのみの利用は無料です。
5秒ルールはどこで体験できますか。
今治タオル本店横の今治タオルLAB(9:00〜18:00、入場無料)で体験できます。
本物の今治タオルの見分け方は。
赤・白・青のロゴと認定番号が入ったタグを確認してください。今治で作られたタオルでも、すべてがブランド認定を受けているわけではありません。
しまなみ海道は自転車で無料で通れますか。
はい。2028年3月31日まで自転車の通行料は無料です。費用がかかるのはレンタサイクル(1日2,000〜4,000円程度)のみです。
今治タオルの値段は。
認定品のフェイスタオルで約1,000〜2,500円、バスタオルで約3,000〜8,000円が目安で、高級綿はそれ以上です。
Rédaction SHINOGI DMC · 更新日
出典
- Imabari Towel (site officiel de la marque) — 5 secondes, eau, savoir-faire
- Imabari Towel — Liste des boutiques (Honten, LAB, horaires)
- Imabari Towel — Imabari Towel LAB
- Imabari Towel Industrial Association — Critères de qualité de la marque
- Imabari Towel Industrial Association — Données (entreprises, métiers à tisser)
- Towel Museum (Taoru Bijutsukan) — Informations pratiques et tarifs
- Préfecture de Hiroshima — Shimanami Cycling Free
- Bari-Ship — Salon maritime international d'Imabari







