東京で大人数の会食・貸切:まず結論
東京では、10〜20名なら個室、30〜60名ならフロア貸切、70〜120名なら店舗の全館貸切か屋形船、150〜450名なら大型の宴会施設が比較的容易に見つかります。それ以上はホテルの宴会場です。難しいのは場所探しよりも、時期に合った形式を選ぶことです。12月は日本企業の忘年会で、個室が数週間前から埋まります。
収容人数を公表している店を例に、規模別の目安を示します。
- 10〜16名:しゃぶしゃぶ、懐石、鉄板焼の個室。六本木の瀬里奈には個室が11室あり、そのうち7室が2〜16名用です。
- 20〜60名:上質な居酒屋のフロア貸切。山王パークタワー27階の春秋溜池山王には、20〜60名程度に対応する眺めのよい貸切フロアがあります。
- 70〜120名:店舗の全館貸切か屋形船。虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階のTOKYO NODE DININGは70席。品川の船清は32〜120名の屋形船を貸し切りで出しています。
- 130〜200名:西麻布の権八は木造の大きな建物で、着席130名、立食200名まで。
- 150〜450名:白金台の八芳園。144畳の白鳳館(120〜150名)や、着席の正餐450名・立食600名の「MANGETSU」があります。
予約の進め方そのものは、日本での団体向けレストラン予約を扱った記事で詳しく解説しています。本記事は、団体の人数から店を選ぶためのガイドです。
10〜20名の接待・会食:東京の個室
役員会、日本の取引先との会食、VIP向けの夜には、東京では個室が基本です。会話が周りに聞こえず、サービスもテーブルのペースに合わせてもらえ、料理は事前に決めておけます。
うまくいく形式は次のとおりです。
- 和牛のしゃぶしゃぶ・すき焼き。 鍋を囲むことで会話がほぐれます。1961年創業の六本木の瀬里奈は、神戸牛とかにの専門店で、個室が11室あります。2階に4〜6名用の4室(ディナーの室料16,500円)、3階に2〜16名用の7室(ディナーの室料11,000円〜)で、料理代は別です。
- 座敷での懐石。 最もフォーマルな形式で、日本側の要人をもてなす場に向いています。床に座るのが難しい方のために、座椅子や掘りごたつ席を用意してもらいます。
- 鉄板焼。 海外のゲストには印象的ですが、鉄板の大きさで人数が決まり、1台8〜12名程度です。それ以上は鉄板や部屋を2つに分けます。
- 鮨カウンターの貸切。 6〜10名なら非常に人気のある体験ですが、名店ほど貸切は少なく、常連の予約が優先されます。
実務上のポイントは次のとおりです。
- 室料。 瀬里奈のように、料理とは別に室料がかかる店は少なくありません。見積もりの段階で確認します。
- コースの統一。 6〜8名を超えると、事前に決めた共通のコースを求められ、食事制限は数日前までに伝えます。
- 時間。 2時間〜2時間30分が目安です。個室は時間枠で予約されることが多く、延長は要相談です。
- 予算の目安。 店、コース、飲み物により1人15,000円〜50,000円超。室料、消費税10%、サービス料が加わる場合があります。

30〜60名の団体:フロア貸切
30〜60名になると個室では収まらず、店舗を丸ごと貸し切ると費用がかさみます。東京では、上質な居酒屋や現代的な和食店のフロア貸切がちょうどよい解決策になることが多いです。
一例が、山王パークタワー27階の春秋溜池山王です。溜池山王駅と国会議事堂前駅に直結し、旬の和食と炭火焼を出す店で、20〜60名程度で使える眺めのよい貸切フロアがあります。赤坂、虎ノ門、霞が関で研修をしている団体なら、バスなしで移動できる夕食会場です。
この形式で得られるのは次のようなものです。
- テーブル中央に盛る取り分け式のコース。一皿ずつの提供より打ち解けやすい。
- 一般に2時間〜2時間30分の飲み放題(ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ソフトドリンク)。
- 挨拶のためのスペース。マイクやスクリーンが使える場合もあります。
- 決まった時間。開始と終了が予定どおりに進みます。
上質な居酒屋は、料理(魚、旬の野菜、備長炭の炭火焼)と日本酒の品揃えでチェーン店と差がつきます。団体には決まったコースと基本的な飲み物しか出さない店は避け、企業の会食なら飲み放題に少なくとも上位の日本酒を含めてもらいましょう。
予算の目安は、料理の内容と時間によって飲み放題込みで1人8,000〜15,000円程度です。研修の団体なら、幹事による短い挨拶と乾杯で始めると、会の雰囲気が整います。
70〜120名:店舗貸切、高層階、屋形船
70〜120名の団体には、東京では店舗の全館貸切と、屋形船での食事が二大選択肢です。
高層階のレストランを貸し切る
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階、イベント施設TOKYO NODEに隣接するTOKYO NODE DININGは70席で、国内各地の食材を使ったイタリア料理を出しています。虎ノ門や神谷町で研修中の団体なら、虎ノ門ヒルズ駅直結で眺めのよい夕食会場になります。六本木、丸の内、汐留の高層階レストランにも同様の形式があり、全館貸切は金曜より平日の夜のほうが交渉しやすくなります。
屋形船:水上での夕食
屋形船は屋根付きの和船で、船上で揚げる天ぷら、刺身、季節の料理を、たいてい飲み放題付きで楽しみます。北品川の船清は、船の詳細を公表しています。
- 定員32〜120名の船。椅子席または掘りごたつ式で、全船に展望デッキがあります。
- 貸切は20名からで、船ごとに最低人数があります。
- 推奨人数は定員より少なめで、定員120名の最大の船は90名程度での利用がすすめられています。
- 船内にカラオケ、マイク、モニター、プレーヤーがあり、プロジェクターは有料で利用できます。
クルーズは約2時間30分で、お台場沖に停泊し、隅田川を周遊します。120名を超える場合は、2隻を貸し切って一緒に航行します。
注意点として、乗船時刻は決まっていて遅刻者は待ってもらえません。揺れは少ないもののデッキは狭く、トイレは船内にあります。夜のアイデアは、東京の夜を紹介した記事も参考になります。

130〜450名:大型の和の店舗と庭園の宴会場
120名を超えると、東京のたいていの料理店は限界に達します。収容力と和の雰囲気を両立している数少ない場所を紹介します。
権八 西麻布(着席130名、立食200名まで)
2層の大きな木造の店で、映画のワンシーンのモデルとして海外でも有名です。蕎麦、焼き鳥、天ぷら、寿司を出し、メインダイニングは着席130名、立食200名まで対応します。パーティープランは4名から、40名以上は貸切用のメニューがあり、全館貸切には曜日・時間帯に応じた営業保証料金がかかります。ワイヤレスマイク、プロジェクター、スクリーンも使えます。にぎやかな雰囲気なので、コンベンションの打ち上げには最適ですが、落ち着いた接待には向きません。
八芳園(120〜600名)
白金台の約33,000㎡の日本庭園を囲む宴会施設です。公表されている収容人数は次のとおりです。
- 白鳳館:144畳の大広間を持つ和の館。本膳150名、正餐120名、立食130名。
- MANGETSU:庭に面した1階の会場。正餐450名、立食600名、シアター700名。
- 正餐66〜160名のほかの会場も並行して使えます。
季節がよければ庭で食前酒を楽しみ、集合写真も撮れます。200〜450名の「和の」ガラディナーなら、東京で最も条件がそろった会場です。
東京の外、横浜で
1939年創業の北京料理の老舗・華正樓の新館は、中華街にあり、最大160名の宴会場を含む宴会フロアがあります。パシフィコ横浜で会議に参加する団体の選択肢になります。
450名を超えると大型ホテルの宴会場になります。クローク、機材、厨房などの運営面は万全ですが、いかにも宴会場という雰囲気から抜け出すには装飾の工夫が必要です。

東京での貸切条件:最低保証、時間、飲み物、税・サービス料
条件は店によって異なりますが、見積もりのたびに確認すべき項目は同じです。確認のポイントとあわせてまとめます。
- 最低保証。 全館貸切には、ほぼ必ず曜日・時間帯ごとの最低保証金額(または最低人数)があります。人数が予定より少なくても、差額は請求されます。
- 室料・会場費。 料理とは別に室料がかかる店もあれば、一定額以上で無料になる店もあります。
- 時間。 飲み放題は2時間〜2時間30分が多く、ラストオーダーは終了30分前です。延長は当日ではなく事前に交渉します。
- 税とサービス料。 日本の表示価格は原則として消費税10%込みですが、団体の見積もりは税抜きで出ることもあります。ホテルや高級店では10〜15%程度のサービス料が加わることが多く、居酒屋ではお通しが一般的です。
- 確定人数とキャンセル。 確定人数は通常3〜7日前まで。それ以降の欠員分は請求されます。
- 食事制限。 名簿とともに、遅くとも1週間前までに日本語で伝えます。ベジタリアンや豚肉不可は対応しやすい一方、「出汁なし」は専用の調理が必要です。
- 12月。 企業の忘年会で、個室や居酒屋は特に木・金曜が埋まります。9月から予約を始めましょう。
- ホテルへの帰り。 終電は0時前後です。団体なら、時間を決めてバスを出せば、タクシーでばらばらに帰ることを避けられます。
2つの見積もりの差は、コースの値段よりも、こうした条件で決まることがほとんどです。
東京での会食・接待:作法、席次、進行
東京での企業の会食には、日本側のゲストが口に出さなくても気づく作法があります。いくつかの基本を押さえれば失敗は防げます。
- 席次。 上座は入口から最も遠い席で、座敷なら床の間の前が一般的です。ホスト側と若手は入口近くに座ります。席次表を用意して店に渡しておきましょう。
- 最初の一杯。 乾杯までは誰も飲みません。ホスト側の最上位者が短く挨拶し、全員で「乾杯」。お酌は互いにし合い、自分の杯から先に注ぐことはしません。
- スピーチ。 2〜3分と短めに。二か国語の会食なら、通訳と原稿を用意します。
- 贈り物。 交換する場合は食事の終わりに、包装したものを両手で渡します。
- 締め。 会は時間どおりに終え、ホスト側の次席が締めの挨拶をし、手締めをすることもあります。会計はゲストの前ではせず、事前精算か目立たないように済ませます。
- 二次会。 日本側が二次会(バーやカラオケ)を想定していることもあります。必須ではありませんが、行うなら予約しておきます。
日本の礼儀作法を扱った記事と、忘年会・飲み会など日本の会社の宴会を扱った記事もあわせてご覧ください。
SHINOGI DMCは、担当する団体のために東京でこうした店を選び、予約しています。人数に応じた形式選び、条件交渉、メニューと食事制限の翻訳、送迎、当日の立ち会いまで対応します。
よくあるご質問
東京で団体のために店を貸し切るには?
まず人数に合わせて形式(個室、フロア、全館、屋形船、宴会施設)を選び、最低保証、時間、飲み放題、室料・サービス料、確定人数の締切を店に確認します。依頼は日本語で、2〜6か月前が理想です。
100名の夕食に向く東京の店は?
屋形船(船清は定員120名の船を90名程度で推奨)、権八 西麻布(着席130名まで)、八芳園の白鳳館(120〜150名)、またはホテルの宴会場です。
東京での団体の夕食はいくら?
1人当たりの目安は、飲み放題付きの居酒屋貸切で8,000〜15,000円、ホテルの宴会で15,000〜30,000円、個室での懐石で20,000〜50,000円です。場合により室料、サービス料(10〜15%程度)、消費税10%が加わります。
東京の屋形船は何名まで乗れる?
品川の船清では定員32〜120名の船があり、貸切は20名からです。推奨人数は定員より少なく、定員120名の船は90名程度が目安です。
12月の東京で団体の夕食はいつ予約すべき?
9月か10月には予約を始めます。12月は忘年会の季節で、個室、居酒屋、屋形船は特に木・金曜に埋まります。
日本の会食で主賓はどこに座る?
入口から最も遠い上座で、座敷なら床の間の前が一般的です。ホスト側と若手は入口近くに座ります。
Rédaction SHINOGI DMC · 更新日









