日本への渡航に査証は必要?国籍別の査証免除
観光、親族訪問、展示会、セミナー、商談などが目的であれば査証は不要です。フランス語圏から訪れる方の主な4か国は、短期滞在の査証免除の対象です。
- フランス:90日
- ベルギー:90日
- カナダ:90日
- スイス:90日。日本国内の出入国在留管理局で申請すれば、合計6か月まで延長できます。
入国時に付与される在留資格は「短期滞在」で、報酬を伴う活動はできません。日本の顧客から報酬を受けるコンサルタント、主催者から謝礼を受ける講演者、日本企業から撮影を請け負うカメラマンなどは、原則として別の在留資格が必要です。判断に迷う場合は、旅行者向けの掲示板ではなく日本大使館に確認するよう案内しましょう。
90日は入国日から数えます。シェンゲン協定のような「180日中90日」のルールはありませんが、3か月近い滞在を繰り返すと入国審査で帰りの航空券、宿泊予約、滞在費の証明などを求められることがあります。
90日を超える滞在や就労・留学・研修には、出発前に居住国の日本大使館・総領事館で査証を取得する必要があります。フランス、ベルギー、カナダの18〜30歳を対象としたワーキング・ホリデー査証もあります(年間の発給枠あり)。
なお、二重国籍の方や第三国に居住する方の場合、適用されるルールは入国時に使用するパスポートで決まります。

パスポートの有効期間、指紋採取、空港到着時の流れ
日本では、パスポートが滞在期間中有効であれば入国できます。一部の国のように「残存6か月以上」は求められませんが、航空会社や経由国の規定の方が厳しい場合があるため、数か月の余裕を持つよう案内すると安心です。身分証明書、運転免許証、紛失届を出したパスポートは使えず、子どもも一人一冊のパスポートが必要です。
到着後の流れは次のとおりです。
- 個人識別情報の提供:16歳以上の外国人は、両手人差し指の指紋と顔写真を提供します。
- 入国審査:パスポートと、Visit Japan WebのQRコードまたは機内で配られる紙の外国人入国記録を提示します。
- 手荷物受取のあと税関検査:QRコードまたは紙の携帯品申告書(家族で1枚)を提出します。
成田や羽田では、着陸から到着ロビーに出るまで30〜60分が目安です。大型機の到着が重なる朝6〜9時頃はさらに時間がかかります。主要空港(成田・羽田・関西)に設置された入国審査と税関の共用端末を使えば、QRコードを準備した人はかなり早く通過できます。
見落としがちなのが、最初の宿泊先の住所と電話番号です。入国審査でよく聞かれる項目で、入国記録にも必ず記入が必要なので、すぐに出せるようにしておきましょう。

Visit Japan Webの登録とQRコードの準備
Visit Japan Webは、デジタル庁が運営する無料のオンラインサービスです。希望者は、紙の外国人入国記録と携帯品申告書の代わりに利用できます。2024年初めから、入国審査と税関申告が1つのQRコードにまとめられました。
初回の登録は15分ほどで終わります。
- メールアドレスでアカウントを作成
- パスポート情報を登録(入力ミスを防ぐため、スマートフォンのカメラで読み取るのがおすすめ)
- 子どもを含む同伴家族を追加
- 入国予定を登録:到着日、航空会社、便名、最初の宿泊先の住所
- 入国審査・税関の項目を入力し、QRコードを表示
出発の数日前に自宅で落ち着いて入力し、QRコードのスクリーンショットを保存しておくよう案内しましょう。到着ロビーのWi-Fiは混雑してつながりにくいことがあります。Visit Japan Webを装った有料サイトにも注意が必要です。公式サービスは無料で、アドレスはdigital.go.jpで終わります。
Visit Japan Webの利用は任意です。スマートフォンが使えなくなっても、機内で配られる紙の書類で手続きできます。高齢の方やデジタル機器に不慣れな方には、紙の書類でもまったく問題ありません。
税関:免税範囲、肉製品の持ち込み禁止、現金の申告
成人1人あたりの免税範囲は、通常の旅行には十分な内容です。
- 酒類:760ml程度のもの3本(20歳以上)
- たばこ:紙巻たばこ200本、葉巻50本、または加熱式たばこ10箱(20歳以上)
- 香水:2オンス(約56ml)
- その他の品物:海外市価の合計額20万円まで
ヨーロッパからの旅行者が特に驚くのが肉製品の扱いです。ハム、ソーセージ、サラミ、リエット、パテ、鴨の生ハム、ビーフジャーキーなど、市販品や真空パックであっても、検査証明書のない肉製品はすべて持ち込めません。空港の検疫探知犬は非常に優秀で、違反すると3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります。生の果物や植物も植物検疫の対象で、持ち込めないものが多くあります。手土産には、チョコレート、焼き菓子、ジャム、紅茶、ワインなどがおすすめです。
現金は、100万円相当(外貨、小切手、有価証券を含む)を超える場合、入国時・出国時とも申告が必要です。禁止ではなく、あくまで手続き上の申告です。
このほか、麻薬、銃器、ブランド品の偽物(自分用でも不可)、わいせつ物も持ち込み禁止です。日本で購入した包丁は、帰国時に必ず預け荷物に入れ、機内には持ち込まないよう伝えましょう。

日本に持ち込める薬・持ち込めない薬:プソイドエフェドリン、処方薬、数量
日本は医薬品の持ち込み規制が世界でも特に厳しい国の一つで、ヨーロッパでは薬局で普通に買える薬の中にも問題になるものがあります。
厚生労働省の基本ルールでは、次の範囲なら手続きなしで持ち込めます。
- 処方薬:1か月分以内
- 市販薬:2か月分以内(通常の用法・用量で)
- コンタクトレンズ:2か月分以内
これを超える場合は、事前に厚生労働省へ「輸入確認証」を申請する必要があります(現在はオンライン申請)。1〜2週間程度を見込んでください。
持ち込まないよう案内したいもの:
- プソイドエフェドリンを含む鼻炎薬・風邪薬:フランスのActifed Rhume、Dolirhume、Humex Rhume、Rhinadvilなど、血管収縮成分を含む風邪薬の多くが該当します。日本ではプソイドエフェドリンは覚醒剤原料に分類され、含有量が10%を超える製品は輸入が禁止されています。持ち込まないのが最も安全です。
- アンフェタミン類:一部のADHD治療薬(アデロールなど)を含め、処方箋があっても持ち込めません。
- 麻薬(モルヒネ、オキシコドン、高用量のコデインなど):地方厚生局の事前許可が必要で、出発の数週間前に申請しなければなりません。
- CBD製品:THCを微量でも含むものは違法です。
いずれの場合も、薬は元の容器のまま機内持ち込み手荷物に入れ、処方箋のコピーと、できれば一般名・用量・服用期間を英語で記した医師の手紙を携行するよう伝えましょう。日本の薬局でも一般的な症状の薬は手に入りますが、ヨーロッパより用量が少ないことが多いです。

出国税3,000円とJESTA:2026年からの変更点
すべての訪日客に関わる変更が2つあります。
出国税が3倍に。 2019年に1回1,000円で導入された国際観光旅客税は、2026年7月1日以降の出国分から3,000円になりました。航空機・船舶で日本を出国するすべての旅行者が対象で、日本人も含まれます。2歳未満の子どもと、入国後24時間以内に出国する乗り継ぎ客は非課税です。税は航空券の代金に含まれるため、空港で支払う必要はありません。2026年6月30日までに発券された航空券は、7月1日以降の出国でも1,000円のままです。4人家族の場合、以前より8,000円(約45ユーロ)の負担増になります。
JESTAの導入へ。 日本は、米国のESTAや欧州のETIASに相当する電子渡航認証制度の準備を進めています。査証免除で訪日する旅行者は出発前にオンラインで申請する必要があり、認証がなければ航空会社は搭乗を拒否します。JESTAの創設を盛り込んだ入管法改正案は2026年3月に閣議決定され、2028年度(2028年4月〜2029年3月)中の運用開始が目標とされています。2026年秋時点では、手数料や有効期間は未定です。2028年より前の旅行には影響ありません。
3つ目の変更は買い物に関するものです。2026年11月1日から免税制度がリファンド方式に変わり、店頭では消費税込みの価格で支払い、出国時に税関で購入品の確認を受けてから払い戻しを受ける仕組みになります。詳しくは、日本での支払い方法のガイドで解説しています。
団体旅行・セミナーでの入国手続きのポイント
20名、50名、150名といった団体になると、個人のルール一つひとつが管理すべきチェックポイントになります。セミナーやインセンティブ旅行で私たちが確認している項目は次のとおりです。
- 3か月前までにパスポート情報を収集:正確な氏名、国籍、有効期限。旅行中に期限が切れるパスポートや、査証が必要な国籍の参加者を早めに把握できます。
- 登壇者の在留資格を確認:日本の団体から報酬を受けて講演や研修を行う参加者は、「短期滞在」以外の資格が必要になる場合があります。
- 全員にVisit Japan Webを案内:出発1週間前に簡単な手順書を送り、搭乗前にQRコードのスクリーンショットを用意してもらいます。50名なら到着時の手続きを30〜45分短縮できることもあります。
- 旅のしおりに医薬品と食品の注意事項を記載:プソイドエフェドリン、肉製品、肉を使った手土産は避けるよう明記します。税関検査で最も止められやすい項目です。
- 業務用機材:モニター、バナー、ノベルティ、サンプルなどが20万円を超えると課税対象になることがあります。再輸出する機材ならATAカルネで関税の立て替えを避けられます。
- 税関出口での出迎え:団体は必ず何回かに分かれて出てくるため、プラカード、参加者名簿、連絡用の携帯番号を持ったアシスタントを配置します。
SHINOGI DMCは、出発前から到着時までのこうした事務的な準備を担当し、セミナーが入国審査の出口ではなく最初の集合から始められるよう団体をサポートしています。
よくあるご質問
フランスのパスポートで日本に行くには査証が必要ですか?
日本で報酬を伴う活動をしない90日以内の観光・商用目的であれば不要です。滞在期間中有効なパスポートがあれば入国できます。
Visit Japan Webの登録は必須ですか?
任意です。無料のサービスで、1つのQRコードで入国審査と税関手続きを効率化できます。機内で配られる紙の書類も引き続き利用できます。
解熱鎮痛薬や鼻炎薬を日本に持ち込めますか?
アセトアミノフェンなどの一般的な解熱鎮痛薬は2か月分以内なら問題ありません。プソイドエフェドリンを含む鼻炎薬は持ち込まないでください。含有量10%超の製品は禁止されています。
ソーセージやチーズを日本に持ち込めますか?
ソーセージ、ハムなどの肉製品は真空パックでも持ち込めません。手土産には、チョコレート、焼き菓子、ジャム、ワイン(成人1人3本まで)がおすすめです。
2026年の出国税はいくらですか?
2026年7月1日以降の出国は1人3,000円で、航空券代金に含まれます。7月1日より前に発券された航空券は1,000円のまま、2歳未満は非課税です。
JESTAはいつから必要になりますか?
政府は2028年度(2028年4月〜2029年3月)中の運用開始を目指しています。手数料や具体的な手続きはまだ公表されておらず、それまでは事前の認証は不要です。
Rédaction SHINOGI DMC · 更新日
出典
- Ministry of Foreign Affairs of Japan — Visa exemption arrangements
- France Diplomatie — Japon, conseils aux voyageurs : entrée et séjour
- Digital Agency — Visit Japan Web
- Japan Customs — Customs procedures for passengers (allowances, cash declaration)
- Ministry of Health, Labour and Welfare — Personal import of medicines (医薬品等の個人輸入)
- Japan Customs — Medicines and cosmetics for travelers (Customs Answer 9005)
- JNTO — Japan's International Tourist Tax is increasing
- Japan Tourism Agency — Tax-free shopping, refund method from November 1, 2026
- Immigration Services Agency of Japan
- JNTO — Préparer son voyage au Japon








